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12月7日

『夜のミッキー・マウス』 谷川俊太郎

 
ひとはなんで詩を読むのだろう
わたしはなんで詩を読むのだろう
 
きっと心の危うい部分は
きっと自分にとって大事なことは
きっと自分にもはっきりわからなくて
説明ができないから
ただそこにある詩が一番
近くに寄り添ってくれるからなのかな
 
なんだか、
いつも近くにおいておいて
ひそかに何度も読み返してしまうと思う
谷川さん、手放しですごいと思う
技巧なんてみえない、ことばをつむぐ
 
『夜のミッキー・マウス』 谷川俊太郎
 夜のミッキー・マウス (新潮文庫)
「、、、
知識人は考える
寂しさは初歩的な感情だ
誰でもそれを知っている
オギャアと生まれたその日から
だが寂しさは分かりやすいだけに
消し去る方法が見つけにくい
 
天気予報がひとり歩きしている
日本中を北へ南へ東へ西へ
、、、」
*「スイッチが入らない知識人」より
 
「、、、
そしてひとはいきるだろう
かたりつづけることばにまどわされ
いろあざやかなまぼろしにめをくらまされ
たがいにくちまねをしながら
あいをささやくだろう
はだかのからだで
はだかのこころをかくしながら」
*「よげん」より 
 
「、、、
時間は永遠の娘 歓びは哀しみの息子
あのひとのかたわらでいつまでも終わらない音楽を聞いた」
*「あのひとが来て」より
 
 
 

『ボロボロになった人へ』リリー・フランキー

 
『ボロボロになった人へ』 リリー・フランキー
 ボロボロになった人へ
実家からの帰り、駅の本屋でなんとなく手に取った。
帰りの電車で読もうかと。
 
もしかして、すきかもしれないです。
リリーさん。
なんてうまく抜いてあって、ふつうに
みせていってくれます。
現代の小説で気になってしまう
説明がうるさく感じたり、
自分が特別なんだと陶酔している気持ち悪さがあったり、
なんてのがなくて
なんか奥ゆかしくてやさしいよ
リリーさんの人柄なんだろか
心はみんな危ういね
 
なんとなくまったく関係ないけど
ジャック・プレヴェールの詩集から 一遍。
 
私は私 このまんまなの
 
私は私 このまんまなの
ほら 見てのとおりよ
笑いたければ
そうよ けらけら笑うわ
私を愛する人を愛するの 私
悪いのは私かしら
愛する相手がそのつど
同じじゃなくても、
私は私 このまんまなの
ほら 見てのとおりよ
どうでもいいでしょ ほかのこと
どうでもいいでしょ 私のこと
 
私ね 好かれるたちなの
変えようはないわ
私のかかと とびきり高く
腰はすらっと反っている
私の乳房 とびきり固くて
眼にはしっかり隈ができてる
だからってどうなの
それがあなたになんだっていうの
私は私 このまんまなの
私を好く人に好かれるわ
 
それがあなたになんだっていうの
私に起きたこと、
そうよ 私だって誰かを愛したわ
そうよ その人 私を愛してた
愛し合う子どもが
ただすなおに愛するように
愛する 愛する...
どうして聞くの そんなこと
あなたに好かれるためにいるのよ 私、
変えようはないわ。
 
*
「ことばたち」所収
 
 
 

『Ten Minutes Older』 オムニバス

 
久しぶりですが、備忘録としての機能が惜しいので復活。
 tenminutes
『Ten Minutes Older』
まちょが貸してくれたDVD、10分間のShort Movieを集めたオムニバス。
豪華な監督陣に緊張しました。
時間をとって丁寧に観てみましたよ。
想像どおり濃い濃い内容に
えらく疲れました。
 
◆アキ・カウリスマキ
たとえるなら
記憶の中の出来事のように、
スナップショット的に心象風景を投影した映像を想う 
そんなカメラワークと
象徴をたまに散らされる遊びが楽しい
◆ヴィクトル・エリセ
各人の動きが静かな生を感じさせるんだ 
不思議だなぁ 
ビクッとするよね、映像の切り取り方
 ぶらぶらする足、草をかき集める動きの反復、しみのひろがる速度、、
生きて、生きると思う人間の美しさとはかなさ
◆ヴェルナー・ヘルツォーク
興味をひくテーマ。
ブラジル僻地に生きる石器時代の暮らしを送る部族は、
文明人との接触によって数分で数千年分進歩した。
しかしまもなく外からの病気風邪とミズボウソウで部族の半数が死ぬ。
文明に取り残されて数千年、抵抗力は持ち合わせていなかった。
その後の20年で彼らの生活、意識は劇的に変化する。
ドキュメンタリーは難しい。
事実をただ切り取ることは難しい。
切り取り方に意図が入り込むことはいたしかたないが、観るものが何を感じ考えるかをそんなに導かないでほしい 
「時間に取り残された」という言葉と一緒に時計を抱え耳をすますタリの画を与えないでほしいのだ 
好みの問題だ 
人間関係みたいだなぁ
◆ジム・ジャームッシュ
すごいねぇ。
やっぱり好きだねぇ。
この倦怠感と後に残る自分自身への回帰。
うさんくさい促しなどない。
ただ感じる。
観ている人間が自ら旅に出る。
◆ヴィム・ヴェンダース
この流れだと、なんだかポップにうつるね
既知感。
電車の中で貧血起こしたときとかね。
凝縮されてるよ。
◆スパイク・リー
メディアの力てやつだねぇ。
いつでも政治にメディアは貢献してきた。
どちらにも力を持ちうるんだ。
怖いよ。
でもすごいんだよ。
各人が自ら立ち止まって考える習慣を。
気づかぬうちに思考を停止させられる状況に陥る前に。
自ら気付けないなんて、本当に恐ろしいのだから。
◆チェン・カイコー
何が真実かて。
何が見えてるのかて。
表そうとすると使い古された安っぽい言葉になってしまいそうなところ、
嫌みのない軽妙さ。
喧噪のもつ喪失感。