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1月26日 『愛する人達』川端康成美しい短編たちです。
いやぁ、日本人に生まれてよかったな、と。
「ほくろの手紙」がお気に入り。
人と人に生まれる説明しようのない大事な感覚。
夫婦のかたち。
いじらしく、切ないね。
「夜のさいころ」
こちらも。
情景が静かに浮かんでくるんだけど、
なんだかきれいな映像だよ。
「母の初恋」
うちはこういう奥ゆかしい感覚が
とても好み。
現代のジャンクフードみたいな恋愛が
どうしてもどうしても
まともに見られないから。
いいなぁ。
繊細だなぁ。
『愛は束縛』サガン愛のかたち、について。
「髪結いの亭主」を思った。
うちの中では、重なる部分。
『愛は束縛』サガン
最悪の情熱と評された、美しい妻ローランスのヴァンサンへの所有欲。
--引用--
「ああ、ヴァンサン、こんなふうに人を愛するのがどんな気持ちか、あなたにはわからないんだわ・・・。
あなたは運のいいことに、そういう種類の人間ではないのよ。・・・」
・・・
「あなたはいつも、ちょっと不満でちょっとうんざりしていて、気まずくて、いらいらしていて、それもこれも・・・・
でも私はね、あなたに顔をそむけられるのは、ナイフで刺されるみたいにつらかった。
わかる?虚しかったのよ、心を引き裂かれるみたいだったのよ。
私は壁に頭を打ち付けて、爪で肌をかきむしって。・・・」
・・・
「気なんか遣わないでよ、お願い。そういうふうにされるのは嫌なの!
あなたの気遣い、やさしそうな笑顔、明るさ、笑い声、
朝の深呼吸の仕方、窓の開け方、街を歩くときのあの歩き方、お酒の飲み方、
女の人を見るときのその視線、私に対してでさえよ、
そうやって何もかも自由に味わい尽くそうとするあなたの欲望、
それが恐ろしい、それが私をズタズタにするのよ!
あなたはよそ見をしながらしか生きられない人なんだわ。
それなのにわたしは、あなたなしでは生きられrない。
ひどいじゃない、こんなのひどいじゃない!」
・・・
-----
失うのがこんなにも怖いのは
対象への愛情からなのか
自分への愛情からなのか
強く握りしめればしめるほど
指の間からするするするする
流れ落ちて行ってしまう
そんな理屈で片付けられないほどの
最悪の情熱
なんだか
いとおしいと感じてしまう
だって、
難しいし
不安だし
痛いし
怖いし
心臓がガクガクしてしまうんだ
そして、こんなにも切ない狂気が
こんなにも美しいんだ
でも愛には笑いが必要だよ。 『絵のない絵本』アンデルセン「この世界の生活は、
月にとってはひとつのおとぎばなしなのです。」
貧しい絵描きに月が話して聞かせてくれる世界各地で月がみたおはなしたち。
「昨日のことですよ」と、月がわたしに話しました。
・・・・・といいってはじますこの第二夜が好き。
以下物語の概略。
はねまわって遊んでいる女の子が
中庭で寝ている1羽のめんどりと11羽のひなどりのまわりを驚かせてしまい
めんどりはびっくりして羽をひろげてちいさなひなどりたちをかばいました。
父親は女の子をしかりつけました。
次の日、あの女の子がめんどりとひなどりのもとへしのびより
にわとりたちは大声でさけびながら飛び回ります。
けれども女の子はそのあとをおいかけているのです。
月もこのいけない子にすっかり腹を立ててしまいました。
父親もきのうよりもっとひどくしかりつけ、女の子の腕をつかみました。
女の子の目には大粒の涙が光っています。
「あたしはね」
「めんどりにキスをしてやって、きのうのおわびをしようとおもってたの。」
父親は、このむじゃきな、かわいい子のひたいにキスをしてやりました。
月も、その眼と口にキスをしてやりました。
12月7日 『夜のミッキー・マウス』 谷川俊太郎ひとはなんで詩を読むのだろう
わたしはなんで詩を読むのだろう
きっと心の危うい部分は
きっと自分にとって大事なことは
きっと自分にもはっきりわからなくて
説明ができないから
ただそこにある詩が一番
近くに寄り添ってくれるからなのかな
なんだか、
いつも近くにおいておいて
ひそかに何度も読み返してしまうと思う
谷川さん、手放しですごいと思う
技巧なんてみえない、ことばをつむぐ
『夜のミッキー・マウス』 谷川俊太郎
「、、、
知識人は考える
寂しさは初歩的な感情だ
誰でもそれを知っている
オギャアと生まれたその日から
だが寂しさは分かりやすいだけに
消し去る方法が見つけにくい
天気予報がひとり歩きしている
日本中を北へ南へ東へ西へ
、、、」
*「スイッチが入らない知識人」より
「、、、
そしてひとはいきるだろう
かたりつづけることばにまどわされ
いろあざやかなまぼろしにめをくらまされ
たがいにくちまねをしながら
あいをささやくだろう
はだかのからだで
はだかのこころをかくしながら」
*「よげん」より
「、、、
時間は永遠の娘 歓びは哀しみの息子
あのひとのかたわらでいつまでも終わらない音楽を聞いた」
*「あのひとが来て」より
『ボロボロになった人へ』リリー・フランキー『ボロボロになった人へ』 リリー・フランキー
実家からの帰り、駅の本屋でなんとなく手に取った。
帰りの電車で読もうかと。
もしかして、すきかもしれないです。
リリーさん。
なんてうまく抜いてあって、ふつうに
みせていってくれます。
現代の小説で気になってしまう
説明がうるさく感じたり、
自分が特別なんだと陶酔している気持ち悪さがあったり、
なんてのがなくて
なんか奥ゆかしくてやさしいよ
リリーさんの人柄なんだろか
心はみんな危ういね
なんとなくまったく関係ないけど
ジャック・プレヴェールの詩集から 一遍。
私は私 このまんまなの
私は私 このまんまなの
ほら 見てのとおりよ
笑いたければ
そうよ けらけら笑うわ
私を愛する人を愛するの 私
悪いのは私かしら
愛する相手がそのつど
同じじゃなくても、
私は私 このまんまなの
ほら 見てのとおりよ
どうでもいいでしょ ほかのこと
どうでもいいでしょ 私のこと
私ね 好かれるたちなの
変えようはないわ
私のかかと とびきり高く
腰はすらっと反っている
私の乳房 とびきり固くて
眼にはしっかり隈ができてる
だからってどうなの
それがあなたになんだっていうの
私は私 このまんまなの
私を好く人に好かれるわ
それがあなたになんだっていうの
私に起きたこと、
そうよ 私だって誰かを愛したわ
そうよ その人 私を愛してた
愛し合う子どもが
ただすなおに愛するように
愛する 愛する...
どうして聞くの そんなこと
あなたに好かれるためにいるのよ 私、
変えようはないわ。
*
「ことばたち」所収
9月24日 『喪失と獲得』ニコラス・ハンフリー「あなたの心は、魅力に乏しい複雑な解釈(たとえ健全なものでも)よりも、
魅力的で単純な解釈(たとえまったく馬鹿げていても)のほうを
選ぶことを押しとどめることができないかのように思われる。
論理と常識は、全体性と完全さという知覚上の理想に隷属させられてしまっている。」
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「『現実』についての不可能な、馬鹿げてさえいる説明が
たまたま魅力的に単純で確かなもののように見える一つのイデオロギー的な地点に自らを誘導していくことのなかにある。
この立場は、たとえば、キリスト教、マルクス主義、ナショナリズム、あるいは精神分析と呼ぶことができるかもしれない。」
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「私たちは恋に落ち、恋から醒め、誰かの友情を光栄に思い、
誰かの不誠実に裏切られたと思う。
しかし、大半のときは、私たちが、あるいは彼らが誰であるかという実在性に十分な注意が払われない。
そうして私たちは、幻想のなかに、自らの恋を、希望を、怖れを生き、
はっきりと見ることができず、見ようともしない関連を作り上げ、
自らの想像力に頼って、
自らの感情や状況にふさわしいレッテル、ふさわしい記述を探し求める。」
9月11日 『ライ麦畑でつかまえて』サリンジャーぜったい AB型だとおもった
だって、うちがAB型だから
びっくりした
何度か散文なんかをみてもらう機会があって
その後何度も「あなたはこれを読むといいわ」と勧めてくれた 中学のときの国語の先生
いつか読もう、いつか読もうとは 思ってたけど
先生が勧めるものだからと
誰かが
自分の 意識に気づいてるだなんて
思いもよらなかった
自分中心の思春期
いつ終わる思春期
『朗読者』ベルンハルト・シュリンク「『でも』って言わないのかい?」
そら、言ってごらんよ、人間は他人をどうでもいいなんて思っちゃいけないって。
習わなかったのかい?
人間の顔をしたものとは 何でも連帯せよって?
人間の尊厳? 生への畏敬?」
「自分が空っぽなのを感じた。
まるで、外ではなく自分の内に経験を探し求めて、
何も見つからないと 気づいたかのように。」
「それを喜んだというのは言い過ぎだろう。
でも、それでよかったんだ、と感じた。
そうすることで、ぼくはまた
日常生活に戻っていける、
これからも生きていける、
とおもった。」
「話の真実の中身は、ぼくの行動の中に含めれているのだから、
話はやめてしまってもいいのだった。」
「告発という行為は、
弁護と同じくらい
グロテスクな単純化に思えたし、
裁くことは単純化の中でも
そもそも一番グロテスクな行為だった。」
5月31日 『熱帯魚』吉田修一ひりひり、てほんとやね
「グリンピース」、爽快。
「ただ、傷つけないようにといたわられることに、
一番傷つく人間だっているのだ」
「告白は楽だと新田は思う。
手の内を見せて、あとはすべてを相手に任せる。
告白は卑怯だとも新田は思う。
負けを認めて、あとは相手の情に頼る。
告白は癖にもなる。
曝け出せばすべてが終わると楽観する。」
4月25日 『陰日向に咲く』劇団ひとり爆笑の太田さんが絶賛してて
気になって 読んでみた
いいよ すてきよ
心地よくて あったかいよ
「小学校5年生の時、落とした消しゴムをYさんが拾ってくれたのに
『ありがとう』の一言が言えなくて後悔した。
数分後、『さっきは、ありがとう』が言えなくて後悔した。
次の日、『昨日はありがとう』が言えなくて後悔した。
それから僕は、中学三年生の夏、彼女が引っ越すまでの間、ずっと後悔してた。
そして好きだった。」
すてきよ
4月2日 『A is for Aloha』おおおおお。
すてき えほん THANX。
「誰のせいでもなくて イカレちまった夜に
あの娘は運び屋だった 夜道の足音遠くから聞こえる 誰のためでもなくて 暮らしてきたはずなのに 大事なこともあるさ あぁ 天からの贈りもの UP & DOWN UP & DOWN SLOW FAST SLOW FAST UP & DOWN UP & DOWN ナイト・クルージング 窓はあけておくんだ いい声聞こえそうさ」 ナイトクルージング by fishmans
いい旅を。
Aloha.
1月23日 『ヴィヨンの妻』太宰治よくわかってるようで、本当はわかってない。ようで、よく分かってる。
なんだかなぁ、太宰さん。
憎いなぁ。
「『恋をはじめると、とても音楽がしみて来ますね。
あれがコイのヤマイ。
一ばんたしかな兆候だと思います。』」
「十指の指差すところ、十目の見るところの、
いかなる弁明も成立しない醜態を、
君はまだ避けているようですね。
真の思想は、叡智よりも勇気を必要とするものです。
マタイ十章、二八、
『身を殺して 霊魂を殺し得ぬ者どもを懼るな、
身を霊魂とをゲヘナにて滅し得る者をおそれよ。』」
「ひとを愛するなら、
妻を全く忘れて、
あっさり無心に愛してやって下さい。」
「革命は、ひとが楽しく生きるために行うものです。
悲壮な顔の革命家を、私は信用いたしません。
夫はどうしてその女の人を、もっと公然と楽しく愛して、
妻の私までたのしくなるように愛してやることができなかったのでしょう。
地獄の思いの恋などは、ご当人の苦しさも格別でしょうが、だいいち、はためいわくです」
(ああ、悲しい人たちは、よく笑う)
「でぇじにしてくんな」
1月21日 『青年』森鷗外「それじゃあ地獄を買わないやつは、
厳粛な態度は取れないと云うのかね」
「漂わせていなくてはならないのに、
自分は岸の蔦葛にかじり附いているのではあるまいか。
正しい意味で生活していないのではあるまいか」
「人形を勝手に躍らせていて、
エゴイストらしい自己が物蔭に隠れて見物の面白がるのを冷笑しているように思われる。
それをライフとアアトが別々になっているというのだと云う」
「強い印象を与えるのは、
常に思想が霊活に動いていて、
それをぴったり適応した言語で表現するからであるらしい。」
「『そんなら消極のままで、懐疑に安住していたらどうでしょう。』
・・・『永遠に求めるのです。永遠の希求です。』」
「一体日本人は生きるということを知っているだろうか。
小学校の門を潜ってからというものは、
一生けんめいにこの学校時代を駆け抜けようとする。
その先は生活があると思うのである。
学校というものを離れて、職業にあり附くと、
その職業を為し遂げてしまおうとする。
その先には生活があると思うのである。」
「実は書くべき事が大いにある筈d、それが殆ど無いのである。
やはり空虚な数字のみにして置いた方が増しかもしれないと思うくらいである。」
「そうして見ると、その道徳というものは
自己が造るものでありながら、
利他的であり、socialであるのですね。」
「なる程、生というものは苦難を離れない。
しかしそれを避けて逃げるのは卑怯だ。
苦難籠めに生を領略する工夫があるというのだ。
whatの問題をhowにしたのだね。」
9月24日 「うたかたの日々」ボリス・ヴィアン疾走し渦巻く混沌の中に
とてもとても
まっすぐな
純粋な
思いが
痛みが
あった。
「ケーキを二つに割ると、ケーキの中には、
シック用にパルトルの新論文がひとつと、
コラン用にクロエとのデートが入っていた」
「ぼくの求めているものはみんなが幸せになることじゃないんだ。
おのおの各人が幸福になることだ」
「働かなくてもいいようになる機械を作るために働くかわりに、
食うために働いているんだよ、彼らは。」
「彼は走りに走った。
恐ろしかったのだ。
まぜ一緒にいるだけではまずいのかわからなかった。
恐れをなさなくてはだめだというのか。」
「あんまり彼女のことが好きだったので、
つまらないことを言ったものだという自責の念から死んでしまうところだった」
「光は液化してしまい、
長い光の筋になって流れ出していた。」
「『働くのはいやなんですか』と古道具屋・
『考えただけでも恐ろしいですよ。労働は人間を機械なみにしてしまいますからね。」
「音楽は彼の身体を通っていき、
フィルターがかかったようになってまた聞こえてきた。
そうして彼の身体を通り抜けて出てくる曲は<放浪者のブルース>よりも<クロエ>にそっくりだった。」
7月2日 『ただの私』オノ・ヨーコ「空の美しさにかなうアートなんてあるのだろうか。
私はただ私でありたい、と思って暮らしてきただけだ。」
「自分が、まな板に載せられた魚になっている。
水から上がっているから苦しい。 息が苦しくて、ハアハアと言っている。 生きているのがつらいから、早く殺してもらいたい。包丁で切ってもらいたい。 そうやってもがいている光景が目に浮かぶのである。」 「男性と一緒に住むときでも、私は、まな板の上の魚で、男性は包丁を持っている。」
『ただの私』オノ・ヨーコ 6月26日 「ナイン・ストーリーズ」J.D.サリンジャー「「あのね、バナナがどっさり入っている穴の中に泳いで入っていくんだ。 「当然のことだが、そんなことをすると彼らは肥っちまって、二度と穴の外へは出られなくなる。
何度も読み返せるように 手元に置いておきたい。
「ナイン・ストーリーズ」J.D.サリンジャー |
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